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いちのへ けんぞう【一戸謙三】 (1899〜1979) 津軽方言詩集『ねぷた』 詩集『歴年』 『自撰 一戸謙三詩集』

四季派の外縁を散歩する 第21回 東北の抒情詩人一戸謙三 『自撰詩集』未収録の抒情詩篇をめぐって
四季派の外縁を散歩する 第22回 東北の抒情詩人一戸謙三 モダニズム詩篇からの転身をめぐって


ねぷた

津輕方言詩集『ねぷた』

一戸謙三(玲太郎は筆名) 第一詩集

昭和11年5月30日 十字堂書房発行(発売:神書店[弘前市])

19.5×13.1cm上製 71ページ 定価1円

装幀 棟方寅雄   限定300部


扉

ねぷた(棟方辰雄歌集より)
序詩(福士幸次郎「土地の愛」より) / ○弘前(シロサギ)
弘前 承前
弘前 承前
弘前 承前 / ○百万遍塚(ヒヤグマンペ)
(津軽民謡「弥三郎歌」より) / 地蔵様(ジンジョさま)
百万遍塚(ヒヤグマンペ) / 鴉啼(からすナギ)
猫柳(ベゴコ)
雑魚釣(ジャコつり)
夜露(よヅユ)
(挿画※1) / ○次男坊(オヂコ)
(高木恭造「まるめろ」より) / 洋燈(ランプ)みがき
凧(タゴ) / 次男坊(オデコ)
お城
酢漿草(スカンコ) / 油屋(アブラコ)
麗日(オデンキ)
夕方(シクレガタ) / ○悪童(ズロスケ)
(齋藤義彦遺稿「那妣久祁牟里:なびくけむり」より) / 春
煙草(エツプク) / 情話(イロバナシ)
試験
五年生
漢文科
相床(ダカサネコ) / ○茨の花コ(バラのはなコ)
(植木曜介「春」) / 南瓜の花(トナスのはなコ)
茨の花(バラのはなコ) / 桔梗の花(キギョウのはなコ)
紫苑の花(スオンのはなコ) / 梨の花(なしのはなコ)
丁斑魚(ウルメ) / 早春(ハルサギ)
(挿画※2) / ○註釈
(石坂洋次郎「風俗」より) / 註釈 承前
註釈 承前
註釈 承前
註釈 承前
註釈 承前
目次
目次 承前

奥付

奥付

(挿画※1).「岩木山・岩木川」出版に尽力した棟方寅雄筆。棟方辰雄の実兄。
(挿画※2).「弘前公園・弘前城天守閣」


暦年 暦年

詩集 『歴年』

一戸謙三 第二詩集

昭和23年12月10日 青森美術社[弘前市]発行 (浮彫叢書U)

16.7×15.7cm並製 70ページ 定価70円

装幀 石沢修悦   限定200部

p2

p4   p3

p6   p5

p7

○黄金の鐘 大正11年10月から大正12年5月まで
白い月 / 崖の上で
紫の靄 / 黄金の鐘
剪られた花 / 髪の雪
○水松の下に 大正13年4月から昭和2年5月まで
夜、重い鎧戸を / 渚
小さな墓 / 古城の白壁に
北風 / ああ、秋だ
水松の下に / 屋根裏の室で
○月日 昭和4年12月から昭和7年5月まで
鴉 / 月日
別れ / 古い鏡台
○夜々 昭和6年2月から昭和7年4月まで
影 / 室
夜々
夢 / 壁
○索迷 昭和7年9月から昭和8年3月まで
別辞 / 破局
非望 / 没落
索迷 / 泥街
爛酔 / 所有
○神の裳 昭和8年11月から昭和9年8月まで
うららかなる笛 / ありふれた林
名もない散歩 / 仄かなる爐
神の裳 / 深みゆく額
○百萬遍 昭和9年10月から昭和9年12月まで
地蔵さま(ジンジヨさま) / 雑魚釣(ジャコつり)
百萬遍(ヒヤグマンペ) / 早春(ハルサギ)
猫柳(ベゴコ) / 梨の花(なしのはなコ)
南瓜の花(トナスのはなコ) / 茨の花(バラのはなコ)
跋(高木恭造)
後記 / 奥付
(見返し)

p8

p9

PDF版

御遺族の一戸晃氏より、本サイト内における掲載許可を賜りました。謹んで御礼を申し上げます。(2015.9.2)


p3  p4

『自撰 一戸謙三詩集』

昭和40年6月30日 津軽書房発行[弘前市]

18.7×13.1cm上製 函 172,[2]ページ 定価500円

装幀 高橋彰一   限定500部

p5

 【前編】

○黄金の鐘 大正11年10月から大正12年5月まで

白い月
崖の上で
紫の靄
黄金の鐘
剪られた花
髪の雪

○水松の下に 大正13年4月から昭和2年5月まで

夜、重い鎧戸を

小さな墓
古城の白壁に
北風
ああ、秋だ
水松の下に
屋根裏の室で

○月日 昭和4年12月から昭和7年5月まで


月日
別れ
古い鏡台

○夜々 昭和6年2月から昭和7年4月まで



夜々

    [削除 ○索迷 昭和7年9月から昭和8年3月まで]

○神の裳 昭和8年11月から昭和9年8月まで

うららかなる笛
ありふれた林
名もない散歩
仄かなる爐
神の裳
深みゆく額

 【後編】

○あの山とあの空に 昭和22年4月から昭和23年12月まで

わたしはひとり
みぞれの夜に
わたしのもの
失はれた歌
あぎみの花よ
わびしい世の申
あの山とあの空に

○芒の別れ 昭和24年8月から昭和24年10月まで

返らぬ日ならば
忘れてゐた柳
風にさらされて
秋のある朝に
世にないあの日
芒の別れ

○乙女座 昭和27年1月から昭和27年2月まで

酬公
乙女座
夜霧
水仙の花
ラプラードの絵

○黒い枝 昭和27年6月から昭和28年6月まで

約束
その吉グ
鏡のなかに
傾いた門
黒い枝

○第二の夢 昭和33年3月から昭和33年7月まで

深い夜
ひとつの影
遠い足音
あの世に
第二の夢
跨線橋
招くのは
いとしい記憶

 【随想】

  1

十一月
茨の花

 2

アンナカレニナ
天井桟敷の人々
ガラスの城

 3

草枕

 後記

大正8年(1919)から断続して昭和39年(1964)まで私は詩を書いて来たからその数は五、六百篇になってゐるであらう。
しかしそれらは習作に過ぎないものが多く、この詩集には六十篇だけを選み、戦前のものを前編とし、戦後のものは後編とした。それに随想七篇を附加したのである。

ここに選んだ詩を発表したのは、詩話会の「日本詩人」(新潮杜発行)百田宗治主宰の「椎の木」それから郷土の「パストラル」「黎明」「青椅子」「座概」「北」(第一次・第二次) 「匙」「府」「北」(第三次)「雪」「浮彫」「圏」「偽画」「弘前詩会リーフレット」などにであり、そして東奥日報、弘前新聞、、陸奥新報には詩の他に随想をも発表した。

私の詩には、地方主義文学としての方言詩や、頭韻を踏んだ十二音句四行によって構成される定型詩、訳詩があるけれども、それらをこの詩集には除外することにした。

この詩集に収めた詩のすべてを、これは詩といふ芸術だとする自信はないが、私の貧しく苦しく寂しかった生活は、これらの詩によって支へられて来たのだ、とは言へる。

このたびの刊行にあたって、詩集の意匠や造本は津軽書房主人高橋彰一氏にお願ひした。それを心から私はお礼したいと思ふ。

  昭和40年5月

奥付


一戸玲太郎

【参考文献】   (写真は昭和44年、青森県西津軽郡木造町(現つがる市)にて。謙三70歳。)

『詩抄』「椎の木」同人アンソロジー 第一集 昭和8年 椎の木社発行

『北の文脈 : 青森県人物文学史』 下巻 66-73p / 小野正文著. -- 北の街社,1981

「一戸謙三特輯」詩誌『朔』155号(1),156号(2),157号(3),158号(4),159号(5),160号(終), 2005-2007

155号(1)資料写真 / 詩「眼」        一戸謙三
                 初期詩篇からみた詩人の実像   坂口昌明
                 初期未刊詩篇T         一戸謙三
                 孤高と思索の詩人・一戸謙三   清藤碌郎
                 一戸謙三とその周辺       石黒英一
                 一戸謙三 北の詩人のポエジー  藤田晴央
                 一戸謙三さんのこと       圓子哲雄

156号(2)資料写真 / 詩「追憶の頁」一戸謙三
                 初期詩篇からみた詩人の実像2  坂口昌明
                 初期未刊詩篇U         一戸謙三
                 詩「高粱酒」に寄せて      一戸 晃

157号(3)資料写真 /「蝶々」マックス・ウェバー   一戸謙三訳
                 一戸謙三訳詩集「近代ドイツ詩抄」について 小笠原茂介
                 訳詩解題(上)         坂口昌明
                 初期訳詩篇           一戸謙三
                 近代ドイツ詩抄 上巻     一戸謙三 訳

158号(4)資料写真 / 詩「譜」  一戸謙三
                 訳詩解題(下)         坂口昌明
                 近代ドイツ詩抄 下巻     一戸謙三 訳

159号(5)資料写真 / 詩「絹糸のやうな雨」一戸謙三
                 『追憶帖』(1947年刊)より 坂口昌明
                 詩抄刊行の序          一戸謙三
                 『追憶帖』礼讃         坂口昌明

159号(終)資料写真 / 詩「冬」 一戸謙三
                 一戸謙三初期詩篇特輯      一戸謙三
                 幻想の秩序 一戸謙三における日本的シュルレアリスム 坂口昌明


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